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ありがとうございました

     2012年2月11日 ムジカーザ リハーサル
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    2012年2月19日  大阪トントレフ・ヒコ
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東京、大阪、共に大勢の方にご来場いただきまして、誠にありがとうございました。演奏の前も後も、色々と考えてしまうタチなのですが、聴いてくださる方々の存在に励まされて、これからも弾くことで想いを伝えていきたいと思えます。

私達の会場入り前から、一番に到着してホールを暖め、ピアノを調律、調整して下さる調律師さん。東京でお願いした方は、私の長所欠点共によくご存知で、実力以上のものを発揮させてくださる魔術師です。信頼してお任せしているので、調律の終了するリハーサル時間ぎりぎりになってピアノに向かいました。

1年ぶりの友人に再会するようなワクワクする気分でしたが・・・あら?こんなに小さかったっけ?
・・・・そこに置かれていたのはベーゼンドルファー。
1年前はスタンウェイだったのですっかりそのつもりでいましたが、ベーゼンも大好きなので、一度試弾に行って決めようと思ってとりあえずベーゼンと申し込んでおいたのを、すっかり忘れていたのでした。
ムジカーザには2台のピアノがあり、選べるようになっています。普段弾かれる事が多いのはやはり万能選手でサイズも大きいスタンウェイだそうで、しまわれていることの多い楽器は音が鳴りにくくなっていることもあり、その為また選ばれず・・・という流れはよくあることです。案の定鳴らない音もあって、調律師さんはかなり苦労したそうですが、そこをさすが!の状態に仕上げてくれていました。
弾いてみると、スタンウェイをイメージして準備していたものとは違いましたが、柔らかな音がヴィオラに溶け込むようで、結局そのまま本番に臨むことに決めました。

リハーサルには指揮者の井上道義さんも気さくに訪れてくださり、ホールのスタッフの方、義兄、妹と受付の手伝いの方、作曲家の近藤さん、皆さんのお陰で無事に終わりの時間を迎えることができました。調律師さんには、本来の仕事以外の雑用まで手伝っていただきました。

初演の「2月の森」、作曲された近藤浩平さんは、「こんなにいい曲とは思わなかった!」とおっしゃっていました。この先多くのヴィオリストとピアニストがこの曲を弾くようになることを願っています。

大阪では、ホール専属の調律師さんにお願いし、ホールのことを教えていただきながら調整しました。前日からお宅でもてなしてくれた友人夫婦には、何から何まで世話していただき、本番中も受付と控え室を走ってくれました。受付で素敵な葉書を販売しましたが、これはナントにいた時のご近所さんだった阪本明美さんの作品です。

改めて、関わってくださった全ての方に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

色彩…

コンサートは聴覚を働かせていただく場ですが、通常人の意識は9割がた視覚からの情報に支配されているといいますから、空間の雰囲気作りも重要です。

プログラムを決定する辺りから、会場で演奏する姿のイメージも出来上がってきます。いらしていただく方のまず最初に目に留まるチラシに、そのイメージを乗せていきます。チラシ諸々の印刷物のデザインをお願いしているパオリ陽子さんは、素人の意見も取り入れてこちらの言葉に入りきらない所までを汲み取り、形にしてくださる方です。

今回の曲のイメージは、イギリスの地方の風景、または幻想的なハリーポッターの世界、戦争による心の痛み、故郷や過ぎた日への想い・・・この辺りが強く、陽子さんにお話しました。そうして出来上がったこのチラシ、彼女のご両親がイギリスを旅したときに撮った名もない古城に、楽器職人のご主人が前に撮ってくれていた浩人自身のヴィオラとピアノが重なり、落日の空のような色合いのヴェールをかけた美しいものとなりました。

ピアノカルテットの時は、テーマカラーを印象派の青とし、チラシと、当日の衣装、お花など全て青にして統一感を出すようにしました。今回も青ですが、もう少し深くグレイッシュな青でしょうか。衣装もその辺りの予定です。

メシアンの「前奏曲集」をピュイグ・ロジェ氏が初演するとき、一つだけ彼が望まなかったのはローズ色か白の衣装を着ける、ということだったそうです。淡い緑か青であって欲しいとのことでした。緑は自然、草木の色、青は天気のよい日の空の色。白という色は存在しないし、ローズは絵においても冴えない色だということです。音の中にこのような色彩感が見えるのは面白いものです。

チケットのご予約

東京も大阪も小さな会場ですので、入り口の混雑をなるべく避ける為、一月中にご予約いただいた方にはチケットをお送りしております。
その際振込用紙を同封いたしますので、そちらに代金のお振込をお願いする形にさせていただいています。
振込用紙を使用していただきますと、手数料は無料となります。

まだお席ございます。
メールでお申し込みの際は、お名前、ご住所、日にちとご希望枚数を明記していただきますようお願いいたします。
お電話の場合、出られないことも多くなりますので、その際は留守番電話にメッセージを入れていただきましたら、ご確認のお電話を差し上げます。

2月に入ってからのお申し込みの場合は、おそらくコンサート当日受付でお名前を伺ってチケットをお渡しするようになるかと思います。

大阪に行きました

コンサートの準備の為、大阪へ足を伸ばしました。
これまでゆっくり訪ねる機会もなかなかなかったのですが、エネルギッシュで、オープンな人々の溢れる街。そんな想像通りの、何だか日本と思えないような空気を満喫してきました。

まずは、「2月の森」を書いてくださった近藤浩平さんのお宅へ。作曲者の前でこの曲を弾かせていただきました。
近藤さんは多くの説明はなさいませんでしたが、そこに耳があるだけで弾く方に伝わるものを沢山感じました。
この曲が出来上がったのは1年前の2月。結果的に、東日本大震災で世界が変わる前最後の2月の情景となったわけです。
素敵な奥様手作りの、目にも舌にも美しいお料理をいただきながら色々なお話をして、曲への理解を深めていけそうな気がしているところです。

それから、フランスのナントにいた頃のご近所さんの典型的大阪人マダム、パリの学校で同じクラスだったイケメンピアニストとも会って、フランスの思い出話に花を咲かせました。お二人とも2月19日のコンサート当日まで、何かとお手伝いいただくことになっています。
髪からお好み焼きの匂いをぷんぷんさせ、思い出し笑いでニヤニヤしながらUターンラッシュの新幹線に乗り込みました。

皆さんのお陰で随分大阪の地理感覚もつかめるようになり、「トントレフ・ヒコ」は割合どこからもアクセスのよい場所らしい、とようやくわかりました。
西日本の皆様のご来場をお待ちしております!



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上の写真の小堀英郎さん、2月4日に京都府民ホールアルティでコンサートがあります。
こちらにもどうぞお出かけください!

プログラム

このプログラムは、当初考えていたものから随分変わりました。
自分が深く感動できる曲を通じて、聴衆と共有する時間と空間を彩るという基本線は変わりません。ただ、演奏に表れる自分の信念や人間を判りやすく伝える術を、様々なコンサートで得た聴衆の方々の反応を感じる中で、もっと考えるようになりました。
選曲は、演奏の前から音楽に対する姿勢が見えるので、非常に重要で準備に時間をかける所です。

約一年前、神戸でのコンサートに見えた作曲家の近藤浩平さんが、ほどなくして出来たてホヤホヤのヴィオラソナタの楽譜を送ってきてくださったのです。クラシック音楽の演奏家というと、200年以上も昔の曲ばかり弾いている事も多いものですが、同時代の同じ日本の空気を吸っている方から生まれたばかりの曲が目の前に現れ、その未来への一歩を自分で作り出す事ができるというのはとても興奮する出来事です。これは是非弾かせて頂こうと思ったところから、プログラムの再編成が始まりました。
その後大震災から自然と共存すべき人間の生き方を想い、また義父の死を体験し、気持ちの変化もあって、それらを総合したらこのような盛り沢山の内容となった訳です。

20世紀前半のパリには、様々な国の芸術家が集まってきており、多かれ少なかれ影響を受け合っていました。二つの世界大戦があった激動の時代を過ごした想いをそれぞれがどのように表現したのでしょうか。またその頃はイギリス人のプリムローズやターティスという素晴らしいヴィオリストが現れ、その存在に創作意欲をかき立てられた作曲家が多くいた時代でもあります。現代のヴィオリストはその恩恵を受けられているのです。私達は、どれだけそれを示す事ができるでしょうか?



近藤浩平さんHP


プロフィールと会場案内

2012年2月11日、19日

今度のヴィオラ&ピアノデュオコンサート、企画を始めたのは2年以上前になります。会場を予約し、プログラムも決め、本格的な広報などの準備に入ろうとしていた頃・・・浩人が、突然「ムジカーザはいつにしたんだっけ?」と言い出しました。え?まさかこれは・・・。案の定でした。「オケの降り番取れてなかった!」ヴィオラセクションの出番係なのに!

私はよほどむっとした顔をしていたのでしょうか。
ちょうどその時、ムジカーザのオーナーの旦那様で指揮者の井上道義さんがN響にいらしていました。慌てた浩人は、練習の合間に井上先生に「何とかならないでしょうか?」と頼みに行きました。ご親切にも井上先生はその場であちこちお電話してくださったものの、一年以上先までホールの予約は一杯。「休館日に開けようか?」とまでおっしゃって下さったのですが、そこまでご迷惑をかけるわけにもいかず、結局大幅に延期することになりました。



ヴィオラ&ピアノデュオコンサート〜20世紀に生きて

飛澤浩人 ヴィオラ
飛澤直子 ピアノ

2012年2月11日(土) ムジカーザ 14時開演 13時30分開場
〒151-0066 東京都渋谷区西原3-33-1
Tel.03-5454-0054 Fax.03-5454-0053
http://www.musicasa.co.jp/
小田急線・東京メトロ千代田線 代々木上原駅東口より徒歩2分

2012年2月19日(日) トントレフ・ヒコ 16時開演 15時30分開場
〒533-0021 大阪市東淀川区下新庄1-7-21 トントレフ・ヒコ 1F
http://home.att.ne.jp/wood/marco/
阪急京都線・北千里線 淡路駅下車、西出口より北へ約5分
歩行者用踏切を左すぐ


programme

ストラヴィンスキー エレジー
ブリテン ラクリメ〜ダウランドの歌曲の投影
ヴォーン・ウィリアムズ ロマンス
近藤浩平 2月の森 (初演)
ミヨー ヴィオラソナタ第1番
マルティヌー ヴィオラソナタ第1番
エネスコ 演奏会用小品

3500円 全自由席

チケットご予約、お問合せはお気軽に、
claudetobi@hotmail.com
またはこのページのメールフォームよりお願いいたします。

言葉と音楽、シュミット

神戸公演は、広告代理店勤務のMさんがボランティアでコーディネートして下さったおかげで実現しました。
演奏の前にお話し下さった「生きる悦び」という言葉、彼はリハーサルを聴いて私達の音楽から受け取ったものだと言いましたが、私は彼に言葉にして頂いた事で、より大きな感動をもって演奏できた気がしています。
そしてMさんのご友人で作曲家の近藤浩平さんが本番を聴いて、シュミットについてメールを下さったので以下にご紹介したいと思います。広い知識と作曲家ならではの視点で、このように聴いて頂いた事に感激しています。



先日は、聴き応えのある演奏を聴かせていただきました。

フローラン・シュミットは1939年の状況が映しだされた曲でしたね。
フローラン・シュミットは1907年の「サロメの悲劇」が年下の作曲家のストラヴィンスキーに献呈にされていて、この曲に「春の祭典」に影響を与えた箇所があるので有名で、この1910年頃には最先端の作曲家で、詩編第47番などもメシアンへの影響がある名作だと思います。ピアノとオーケストラの協奏交響曲という大作も見事な曲ですが知られていませんね。
1920年頃、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、マルティヌー、ミヨー、タンスマン、チェレプニンなどパリに世界から作曲家が集まり、ラヴェルもデュカスも健在でフランス6人組が盛大に活動している時代、その中の重要作曲家として彼らと交流があり作曲界が華やかだった良い時代が、ほんの10年ほどで過ぎて、先進的なシュミットが支持した年下の作曲家達がパリを去ってアメリカなどへ亡命したりしていなくなり、ラヴェルやデュカス、ルーセルなどの同世代の作曲家達も次々と亡くなった直後で、しかも、自身はドイツ系フランス人の家庭という立場で、ドイツによるパリ占領という危機が迫る状況という状況での、フローラン・シュミットは、パリに取り残されたような孤独を感じていたのではないかという感が、聴いていて感じられる曲でした。
一見、1920年代風モダンな各曲が、去っていった友人の作曲家達の思い出を綴るような感じがしました。
作曲家同士というのは、外から見ると、一緒に仕事をする関わりのない関係のようにも見えますが、意外なほどお互いの交友関係は深く、これからどんな音楽を作っていこうかと非常にお互いに会話したり情報交換をしたり活動の場を作ったりしているものです。とくに新しい音楽は聴衆にも演奏家にも理解されるまで時間がかかり、お互いが試みていることを同レベルで理解しあいながら進んでいける仲間として作曲家同士はつながっています。
作風が全く異なる作曲家同士が親友だったり意外なものです。
その作曲仲間が戦争でばらばらになったのがこの曲の作曲年代ですね。
初演は、パリがナチスドイツに占領されている時に行われていますね。どんな演奏会状況だったのでしょう。
しかも、ナチスはシュミットの支持した先進的な作曲家を抑圧していたわけで、プロコフィエフなどはナチスの敵国の作曲家です。
シャブリエはフランス近代の明晰で明るい器楽の先駆的作曲家で、私もそのピアノ曲などは大好きで(アニー・ダルコの録音を愛聴)ですが、シャブリエのパロディといいつつまるでシャブリエらしい気分のない音楽というのもどういう気持でつくったのでしょう。


初来日のフレデリック

練習、コンサート、そしてレッスンと、大変スケジュールが詰まっており、女三人のお喋りにも付き合って、あまり観光もできなかったフレデリックですが、それなりに日本の側面を見て楽しんだようです。
神戸の酒心館では、ベルナデット・シラク前大統領夫人をもてなしたというソムリエの、流暢なフランス語の案内で利き酒の後、色々買い込んでいましたし、日本のウイスキーも気に入っていました。
ほとんどずっと日本食、お箸を上手に使い、英知香さんお勧めの甘いかぼちゃコロッケ(フランスのカボチャは甘みがなく繊維質)、神戸で譜めくりをしてくれた京都在住Kくんのお土産のお煎餅、本番前の銀ダラ昆布醤油焼き弁当、どれも保守的なフランス人には馴染みのないものですが、喜んで食べており、全くフランス料理は恋しくないよ!と言っていました。
フランスでも固い布団に寝て、合気道をやっているという彼、また日本に来てくれる筈です。今度こそ、京都を散歩する時間を作りたいものです

夢の後に・・・

3回のコンサート、無事に終了いたしました。沢山の方々のご協力によって演奏の機会を持てた事に、深く深く感謝しております。ご来場いただきました方々からも大きなパワーをいただきました。席数の都合でお入りいただけなかった方、誠に申し訳ございませんでした。


今回この4人で合わせるのは初めてだった為、どのようなものができるのか全くの未知数でしたが、揃って練習を始めてすぐに、意外なほど音が溶け合うことに気がつきました。そしてそれは不思議なほどに、フランスの空気の中で聴いていたフランスらしい音でした。最後のコンサートまで毎日進化し続け、最終的には各々がとても自由な気持ちで音楽を味わうことができ、終わってしまうのがとても名残惜しく感じられました。また一緒に弾く機会を作りましょう!と約束してそれぞれの居場所へ戻りました。



コンサート再縮小

今回集まった弦楽器奏者達は皆フランスで働いている音楽家です。ヴァイオリンの小川英知香はドイツに近い東のストラスブールで、ヴィオラの大矢章子はスイスに近い南東のリヨンで、それぞれもう随分長くオーケストラに所属する、行動派でエネルギッシュな日本人です。そういえば現在も我が家で愛用しているピアノに出会ったのは、広い情報網を持つ英知香さんの紹介のおかげでした。私が住んでいたのは西の果てのナントだったので皆で会う機会はありませんでしたが、最近は彼女達が休暇で里帰りする時、子供の年齢も近いのでよく集まります。
チェロのフレデリック・デュテイユはアヴィニヨン出身のフランス人で、リヨン市国立音楽院で教鞭を取る傍ら演奏活動をしています。チェロ王国フランスの伝統をしっかりと受け継いでおり、香り高い演奏を聴かせてくれることと思います。大矢章子とは6年弦楽トリオを組んでおり、このカルテットの為に初来日します。彼も音楽と家族への愛情に溢れる、闘牛のようにパワフルな人です。
ツアーの合間に東京と京都の観光ができればと思っていますが、それ以外にも個人レッスンなどいたしますので、興味のある方は是非 claudetobi@hotmail.com までお問い合わせ下さい。

プログラム

昨日、デザイナーの方から当日お配りするプログラムが印刷に回されました。これでようやく事前の事務仕事が終わり、あと残る準備は一番肝心な演奏のこと、それからチケットの発送と旅行の手配くらいとなり、ほっとしています。
メンバー選び、曲決め、チラシ作成などあらゆる場面で二転三転があり、その度にヤキモキもしましたが、時間をかけた分だけその事について多方面から考えることができて、決定したときの満足感も大きくなりました。
プログラムの原稿を書く作業は、資料を集めて読み、内容を自分の中で熟成させ、自分らしさを失わない中で他人にわかるようにまとめて言葉にする、という楽器を演奏することに似ているもので、予想より随分時間がかかりました。
特にフロラン・シュミットの項では、ほとんど演奏される機会のない曲でまず日本語の資料は見つからず、少ないフランス語の資料は言い回しが難解で、最後まで残ってしまいました。シュミットは、チェロのフレデリック・デュテイユが現在教えているリヨンのコンセルヴァトワールで学長をしていた時期があり、学校には彼の資料が沢山転がっているというのですが、それを探すには時間が足りなかったため、コンサートまでには何か面白いことを見つけて、当日お話できればと考えています。
ルクーの解説については、Yosuke Kudoさんのご協力を得ています。この場を借りて御礼申し上げます。


プログラムにこのような知られていない曲を入れるのはちょっとした冒険です。人は誰でも知っている曲の方が理解しやすく聴きたいと思うものです。でも隠れた名曲というのは知られた曲の何倍もあり、それを音にするのは現代の演奏家の大切な役割の一つだと常に思っています。そのことが新しい作曲家を育て、音楽の未来が作られるのです。
まだ取捨選択されていない物の中から自分の感覚だけを頼りに良いものを見つけるのはたやすい事ではありませんが、フランスでは芸術全般において、積極的に新しいものを評価しようとする気運がありました。その中だからこそ伝統的なものも古ぼけることなく正当な価値を持ち続けることができます。


ルクーは短命で作品が少なく、ヴァイオリンソナタ以外は知られていません。シュミットはナチスに関わっていたらしいといわれ、ヨーロッパでも意図して演奏されなかった作曲家です。フォーレはフランス近代を代表する優雅な音楽家ですが、パリで活躍した人の曲を集めたというだけでなく、保守的かつ革新的、天邪鬼で一辺倒を好まないフランス人らしさも感じていただけるプログラムになったのではと自負しています。

楽器編成

このコンサートでは、全てヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノの4人で演奏します。


この編成の曲を初めて書いたのはモーツァルトで、かなりピアノ協奏曲的要素の強い曲ですが、それぞれの楽器が得意とする音域で主たるメロディーを奏で、残りの3人でそれに飾りをつけながら受け渡していくような形になっています。弦楽器4人で作るストリングカルテットに比べ、ピアノで大きく和声的要素を作れるためか、一人ずつが自由に動く中で絡み合うように緊張感のある関係を持ちます。その後のどのピアノカルテットも、多かれ少なかれモーツァルトの影響を受けて作られているのではと思われます。数は多くはありませんが、名曲揃いです。


ヴァイオリン、チェロとピアノのピアノトリオは、ソリストが3人集まる感じ、弦楽四重奏とピアノによるピアノクインテットは、小さなオーケストラとピアノの競演という感じ。これらと比べても、ピアノカルテットは各奏者が対等に渡り合い、殊更室内楽の醍醐味を味わえる編成なのではと思います。

演奏者プロフィール

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プロフィール

飛澤直子

Author:飛澤直子
東京音楽大学、洗足学園大学付属ピアノ演奏研究所を経て、フランス・パリエコールノルマル音楽院でピアノ、室内楽を学びました。10年間のフランス生活は、音楽だけでなく人間や社会への視点が全く変わる体験でした。神奈川県在住、子育てと演奏活動の毎日を送っています。

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